大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)499 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人伊藤英夫の上告趣意第一点について。

所論は、原判決は強制脅迫による自白を証拠とした違法があり、憲法三八条二項

に違反すると主張する。しかし記録上その前提たる事実を認めることができない。

すなわち第一、二審証人Aは(記録一〇二丁三六五丁)Bの検察事務官に対する供

述調書(謄本ー記録一八一丁)を作成したものであり、第二審証人Cは(記録三七

六丁)被告人の検察官に対する供述調書(記録二二一丁)の同Dは(記録三八五丁)

Eの検察官に対する第一、二回供述調書(記録一九三丁二〇六丁)の各立会事務官

であるが、それ等各証人の証言では所論のような自白強要の事実は認められないし、

前記各供述調書を検討してもその供述の任意性を否定すべき事由は認められない。

殊に被告人自身第一審で証人として取調べを受けた際、F副検事の取調べを受けた

のは自分が釈放されてから後であり、同副検事に対し被告人自らその取調べは至極

穏当であつたと述べたことがある旨述べて居るのである。(記録一五一丁裏、一五

五丁)。

第二点について。

所論は事実誤認の主張であるが、第一審判決挙示の各証拠、就中前掲各供述調書

を綜合して本件事実を認めることができる。

被告人本人の上告趣意は、結局前記弁護人の所論と同趣旨に帰するものと解せら

れるが、その採るを得ないこと前述のとおりである。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

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昭和三〇年一一月一日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

裁判官 垂 水 克 己

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